居場所と希望

TBS系で日曜に放送されている、『海に眠るダイヤモンド』を観ています。
1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島(軍艦島)を舞台に、石炭
で一稼ぎしようとした人たちが集まって、狭い島での人間模様が繰り広げら
れていく。

当時、端島(軍艦島)は人口密度が日本一だったそうですね。観ていて感じ
るのは、まずは、狭い島の中では今でいうところのプライバシーが無く大変
だな、ということ。しかし反対に、肌寄せ合って生きる、濃い人間関係がう
らやましいな、とも感じます。そしてそこにはここで稼いでやろうという希
望があった。

昔はわが社でも、「上がり酒」というのがあったと聞いています。仕事終わり
に一升瓶を湯呑に注ぎながら、あーだ、こーだと話をしてから帰ったのだと。
今では考えられませんよね。しかし今とは違う濃密な人間関係があったのだ
と思います。

時代は変われども、人間には居場所が必要で、少なくとも1日8時間生活す
る会社が従業員の皆さんにとって居心地の良い居場所であってほしいと思
っています。それは自分の机があるとかそういうことではなくて、「ここにい
てもいい」「ここで認められている」という許可、承認であり、「私の会社」「
俺の工場」「自分の事務所」と思ってもらえるかどうかだと思います。それの
根底は認め合う人間関係にあると。

その上で右肩下がりのこの時代に従業員一人一人がいかに希望を持てるよう
にしていくのか。経営方針書にも書いていないわが社の最大の課題です。