鉄鋼製品高騰と入手難の背景 vol.2

先月はコロナ禍を背景として鉄鋼製品高騰と入手難の背景について書きま
したが、メーカーの方にさらに聞いてみるとどうも他にもう一つ大きな要
因があるようです。キーワードは『脱炭素』です。

>下記はWEBの情報より抜粋しています。<
・政府は4月22日、30年度に向けた温室効果ガス排出削減の従来目標を
 引き上げ13年度比で46%減にすることを決定。
・鉄鋼業の二酸化炭素(CO2)排出量は日本全体の14%を占め、製造業
 の中で最も多い。
・日本製鉄とJFEスチールはすでに国内の老朽化設備の合理化を進めて
 おり、今後数年間で両社で5基の高炉を休止する。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-16/QRYB09T1UM0Y01

・鉄は酸化鉄と炭素から作られ、二酸化炭素を放出する。
 ((還元))酸化鉄 + 炭素 → 鉄 + 二酸化炭素
       2FeO + C → 2Fe + CO2 となります。
https://www.homemate-research-junior-high-school.com/useful/20100_junio_study/2_science/oxidation/

・水素製鉄法 
 理論上は二酸化炭素(CO2)が発生しない。技術が実用化されれば、CO2
 排出量の大幅削減の切り札になる可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO67223640R11C20A2EA2000/
・脱炭素の研究開発だけで日本製鉄は5000億円以上、JFEスチールは
 30年度までに約1000億円かかると試算。
https://newswitch.jp/p/27642

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➀政府の温室効果ガス排出削減目標
     ⇓
➁鉄鋼メーカーの高炉休止。供給量減
 温室効果ガス削減のための技術開発費の必要性
     ⇓
➂供給量不足。価格の高騰
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このようなことがもう一つの大きな流れとしてあるようです。その意味では
今回の供給量不足と価格の高騰は、景気循環のような一過性のものではない
と考えられ、長期化することを前提に動いていく必要がありそうです。