豊かな人間関係

去る10月15日に、わが社の第58期経営方針説明会を行いました。3年ぶ
りに全事業所合同で開催しました。この3年間に入社した社員もいる中で、
幹事や若手メンバーが活躍してくれて、お互い顔を合わせる良い機会になっ
たのではないかと思います。しかし、今回もお酒は無し。あくまで方針を共
有することを優先し、できるだけ全員参加を意図して行いました。でも、や
はり昭和世代としてはお酒が無いとなんだか物足りなさを感じますね。

わが社の経営理念の中に、「豊かな人間関係」という言葉があります。これ
は20年ほど前に経営理念を策定した際、従業員の皆さんに「仕事をしてい
て、あなたにとって大切なことは何ですか?」というアンケートへの問いに、
多くの人が書いてくれた言葉です。

私自身、「あの人の言う事は断れないよな~。」とか、従業員にも「彼には少
々きつく言っても大丈夫だな。」とか、反対に入社したばかりの従業員には、
「きつくは言えないな~。」とか、そういう濃淡のある人間関係の中で生き
ています。それは、古くからの付き合いである、とか、一緒にお酒を飲みに
行ったことがある、とか、苦しい仕事を共にしたとか、そういう経験が形作
っています。

コロナ禍の中で、人間関係が希薄になってしまいました。それはわが社の社
内でもそうです。人間関係がなければ、仕事の結果だけの関係になってしま
います。しかし新人さんは結果を出せるわけもなく・・。でも、「あいつは
しょうがねーなー。」と言われるくらいの人間関係があれば、失敗しながら
成長していけます。

そう考えると忘年会も、社員旅行も、ビールを注ぐも、注がれるも、とって
も大事だったと思うのです。・・と昭和なことを言っていると皆さんついてき
てくれないかもしれませんので、やり方は変えていって良いと思います。京
セラ創業者の稲盛和夫さんも言っています。「人間関係を豊かにするには、お
互いに相手を知り合うということ。このことが、始まりであって終わりでも
あります。」と。