仕事はだれのものか?

もう20年近く前になるでしょうか。初めてお客様に「この仕事、君にお願いす
るよ。」と言われた時の喜びは忘れられません。見積をし、不安な気持ちでその
言葉を待っていたのを思い出します。お客様にお声をかけていただくことはうれ
しいものです。そんな時はやる気100%。全力で仕事に向かいます。

反対に当時、社長(父)に「図面いただいてきたから見積して!」と言われると
やる気ダダ下がり・・。ただ、作業として仕事をしていた。そんな記憶がありま
す。前者は「俺の仕事」、後者は「ひと(他人)の仕事」です。ただ誰から依頼を
いただいたかだけでこれだけの違いがあります。

組織においてすべての責任は社長(上司)にあります。その意味ですべての仕事
は「社長(上司)の仕事」と言えます。しかしながらだからと言ってすべての仕
事に社長(上司)が立ち合い、顔や口を出していったら部下全員が社長(上司)
の手伝いの立場になってしまい、やりがいを見いだせなくなってしまいます。

組織の一員であるときの努力とは自ら動き目の前の仕事で結果を出すこと。それ
は大変ではあるけれど明確で、そして人と関り承認されていく。しかし、組織の
長となれば、しない、行かない、しゃべらない、そして部下からも嫌われ・・、
そんな努力も必要になってきます。

寂しいけれど、
「社長どこ行った?」「あれっ、そういえば数か月、顔見てないっすね。」
こんな会話が社員の中で生まれたら最高だと思っています。

でも、そうなったら私はどこにいればよいのでしょうか・・?