50点

100点満点で50点を取った時、皆さんはそれをどうとらえるでしょうか?このとら
え方には2つあります。1つは「100点満点から見てマイナス50点」という捉え方
です。2つ目は「0点から見てプラス50点」という捉え方です。この2つは事実とし
ては全く同じです。しかしながら評価される立場の人にとっては前者は否定されたと
とらえるでしょうし、後者は肯定されたと感じるはずです。事実は同じでも人の気持
ちは全く違うのです。

私は20数年前、現在も施工代理店をさせていただいているJFEシビル様での修行を
終え田村製作所に入社しました。そうすると大企業でお世話になっていた身からする
と田村製作所が問題だらけ、マイナス50点に感じました。だからこうしたらいい、
ああしたらいいと色々な意見をしましたが何も変わりませんでした。変えることがで
きませんでした。きっと社員の皆さんにとっては自分たちの仕事が否定的、マイナス
にとらえられていると感じたのだと思っています。

ある時、弊社の決算書を数十年分並べてみる機会がありました。そうするとある期間
売り上げが下がり債務超過に陥っている期間がありました。思い起こせば創業者であ
る祖父が病に倒れ、父が社長を継いだ時期であることに気づきました。それが少しづ
つ解消されバブルを迎え無借金にまでなっていく、そんな歴史がその決算書から読み
取れました。その時初めて田村製作所は長年、祖父、父、そしてその時々の社員の皆
さんの努力、苦労によって今があることに気づかされました。そんなことも分かって
いなかったのだと初めて気づかされたのです。

その時から社員の皆さんが少しづつ協力してくれるようになりました。それはきっと
私が田村製作所を、社員の皆さんをプラス50点ととらえるようになったからだと思
います。その50点によって田村製作所は支えられてきた事実を知り、社員の皆さん
を尊敬できるようになったのです。

大体100点満点の人間などいないのです。ちなみに私自身の自己評価は100点満点中
2点です。本当に頑張っている社長さんを見ると本当にそう感じます。全然足りませ
ん。50倍の伸びしろがあります。頑張ります。