毎週月曜日に行われる定例の工程会議で、先日、柏崎事業所の荒木主任が若
手の原寸メンバーに、「一日に何回かは、工場に行って製品やその流れを見た
ほうがいい。そうすると自分の仕事と工場の加工の流れが合っているかがわ
かるし、どのように作っているかもわかるから。」という話をしました。私は
とても良い話だと思いました。
私自身もそうですが、どうしても「見に行ってみる」とか「眺める」という
行為は、どうも仕事と関係ないような気がして腰がなかなか持ち上がりませ
ん。本来、その仕事を理解するの一番早いのは実際その仕事を経験、体験す
ることですが、それができない場合、「眺める」という行為は、仕事の流れの
全体を理解するのにとても役に立つと思います。
工場は生き物で、毎日風景が変わっていきます。「なぜこの部材はここに置か
れたのか?」「なぜこのような順番で組立されているのか?」そんな疑問を持
って毎日見ていくと、仕事の流れがわかってきます。
入社したころ会長(当時社長)に、決算書を見せられて、「わからないかもし
れないけど眺めておけ。数字が変わっていくのを見ていくと会社の動きがわ
かってくる。そして、そのうち数字の向こうに従業員の仕事ぶりが風景のよ
うに見えてくるよ。」と言われたのを思い出しました。
工場にしろ、決算書にしろ、そんなにすぐには理解できない。焦らずにまず
は「眺める」ことから始めてはいかがでしょうか。